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家庭でのワイン保存法

現実的な一般家庭での保管を考えてみました。 ワインの保管はタイプや目的によって様々ですが、10〜16℃の間で「一定している事」が理想といわれます。 しかし、一般家庭でこの温度帯を通年でキープできる場所などありません。

ワインが届いたら

クール便で届いたワインはすぐ横に寝かさないでください。 温度差で液漏れしキャップシールの中がべたつき、(時間が経つと臭いも。。)その漏れた分の酸素が混入する可能性があります。

お届け後は箱に入れたまま3時間は「立てて」保管してください。 「室温との急激な差」を防ぐことは液漏れの防止に繋がります。

※糖度の高い甘口ワインなど濃度の高い液体は浸透圧で液漏れしがちです。

※夏場などにワインをプレゼントするため、車で輸送する場合は要注意!停車中の社内温度は60℃を超えますので、立てていても噴くときがあります。 こういったワインを「不良品だから交換してください」という相談を受けますが、ホントにごめんなさい。コルクを使う商品の性質をご理解くださいませ。

※液漏れしても慌てて飲む必要はありませんが、なるべく早くお召し上がりください。

※20年以上を経た古酒などはコルク寿命で液漏れします。 なかには60年以上経過しても、再栓(リコルク)せずに販売されますが、 ①温度変化による液漏れではない、 ②液面が異常に低下していない限り、過剰に気にする必要はありません。

保存方法

夏期

ワインを長期保管するならワインセラーでの保管がベストです。
「そんなこと分かってる。。けど、たった一度のために。。」 というお客様も多いかと思われます。

そこで一時的な保管方法として、ワインセラーをお持ちでない場合は、遮光と保湿のため新聞を数枚とプチプチを巻き、冷蔵庫の奥に寝かせて保存してください。

野菜室は出し入れ回数が多くワインが動くため、30年以上を経たヴィンテージワインの保存には不向きです。(若くて丈夫なワインを短期保管という程度なら野菜室でもOKでしょう)

冷蔵庫は振動、低温劣化があると云われてきましたが、よほどの長期でなければ真夏の押入れでの高温劣化やコルク上にワインが染み出すよりは遥かにベターです。

冷蔵庫も狭くて。。。という場合は、最もベターな涼しい環境(南より北側、低い階)に箱に入れたまま「立てて」保管してください。

「新聞紙を巻き床下収納庫、押し入れなどで保存しましょう」といわれますが、35度を超える日本の夏を考えると、限界があります。ある程度はキープできても何度も夏を越す長期保存には向きません。

冬期

ヒーター機能の付いたワインセラーがベスト。 セラーをお持ちでなければ暖房が無く、しかも冷えすぎない場所へ箱に入れたまま保管してください。なお、安価なセラーにヒーター機能はありません。 寒冷地在住の方は冷えすぎないよう冷蔵庫へ。。。

長期熟成

最良の環境は四季を通じて温度14℃前後、湿度70%前後の暗所で振動や臭いの無い場所。 安心のためヒーター付きのセラーをお勧めします。

長期熟成を目論む方は新聞紙でワインを包み、銘柄、ヴィンテージ(生産年)、購入日なども記入しましょう。

ところでワインセラーはベストだと思いますが、本当に冷蔵庫ではダメなのでしょうか? 私は低温劣化が真実か確かめてみたくなり、10年放置した5度冷蔵のワインを開けました。

結果は…劣化など微塵もなく、痩せた感じもなし。 数日前に常温に戻していたのも功を奏したのでしょうか!?(私見ですが、この常温に戻す期間は重要な気がします。) コルクが乾燥⇒収縮なんて皆無。横にしていたのでコルクも抜きやすい。 ただし味の変化はあまりなく「アルコールの角だけが取れ、冬眠にも似た感覚」なのです。既に熟成のピークを過ぎているワインなどの保存には、常温保管よりはよほどベターでしょう。

ピノや自然派ワインのような繊細なワインではどうか?など様々な意見もありますが、常識もあれば例外もあり、試すことは大事だなと痛感しました。 味の変化を体験したい方は、熟成が進まないので冷蔵を推奨しませんが、多くの一般家庭では、味の変化を期待するより「保存」に重点を置いてますし、セラーがない場合は仕方が無いので、冷蔵庫を使うしかありませんね(特に古酒)。温度が変化するよりはベターです。 私が保存していた業務用冷蔵庫は振動も臭気も殆どなく、新聞を巻いていましたが一般的冷蔵庫での長期保管は、ご家庭なら他のどの場所よりもベターであると思います。

定温が無理なら低温で
短期保管なら「定温が無理なら迷わず低温で」保管しましょう。 若いワインの長期保管はヒーター付きセラーがベストで、 既に熟成している古酒などは冷蔵庫でも良いでしょう。

余談

ボトルは必ず寝かせて保存するのか?の疑問ですが、最近では瓶内で湿度が保たれると考えられ、立てて保管しても問題はないといわれます。

常温で横に保管していると蒸れたようなコルク臭(ブショネとは違います)が付きやすく、 フレッシュ感が損なわれます。セラーをお持ちで無い方は必ずボトルを立ててください。 横にしておくメリットはコルクが抜きやすい事くらいです。

※スクリューキャップのワインは立てて保管してください。
※シャンパンは賛否両論ですね。寝かせたものが旨いという意見や、田崎真也さんが実験したら、立てたものが果実味が新鮮だったなど様々です。

2005年に冷蔵保管していたワインを開けてみました。
■ボルドー シャトーペイマルタン 1995年 若い!タンニン豊富で若すぎるくらい?
ブラインドなら2002年くらいに感じるでしょう。
■イタリア カステロ・ヴェッキオ 1996年(現:カサーレ・ヴェッキオ)超良好 果実味抜群。
■ドイツ  カールエルベス ユルツィガー・ヴュルツガルテンkab 1996 超良好 老ねた香り皆無。